あーとびる麦生ブログ

あーとびるの日々の出来事等を伝えるブログです。

続 DA-DASKO-DA

10/14 and 11/14



このシリーズ作品についてあーとびるを訪れるお客さんから
よく聞かれる質問をふまえて少しばかり私見を述べます。
筆者は岩間氏とは面識がないばかりか、彼についても彼の作品についても
全く聞いたことも読んだこともありません。
従って的外れや曲解があるかもしれないことを覚悟で書きます。


まず、作品の中のひとつひとつの個体は一体何であるのかという問いです。
それぞれの個体が鬼剣舞鹿踊りのひとりひとりの演者であるとは解することはできません。5番、9番の個体には複数の鬼面が見えるからです。もしこれが面ではなく人の顔だったらひとりの人間を複数の像で表現することもありうるでしょう。また、鬼の面もなく手足を思わせるようなものもない個体もありますが、これらの比較的小さい個体たちは衣装の部分でしょうか。


これらの問いにたいする私の答えは、それぞれの形や色彩が何をかたどったものかとか表現したものだとかの詮索をやめて、ただ作品に向かって立て、です。やがて全ての個体が動き始め音が聞こえてきます。個体たちは鬼でもないし鹿でもない。まして演者でもない。DASKO そのものであることが分かると思います。


では、DASKOとは何かですが、もちろん作品標題の「DA-DASKO-DA」は鹿踊りの太鼓の擬音です。しかし筆者はここでは鬼剣舞鹿踊りに内在する根源のいのちと捉えて使わせてもらっています。


およそ郷土芸能というものは、自然や神への「畏敬」や「感謝」とか「祈り」を表しているものが多いのですが、長い年月をかけて伝承されるうちに、いろんな時代の多くの人たちの思いが次々に織りこまれていくからこそ味わい深く醸成されるものなのでしょう。


山林や田畑と格闘することのない者の中にもそれなりの DASKO はいるはずです。
ゆっくりと作品に向かいながらあなたの DASKO を呼び起こしてみてください。