岩間氏作品の続きです。
鬼剣舞や鹿踊りに魅了されたことのある人がこの作品の前に立つ時、
記憶の中にある「ダダスコダー」と結びつくのにたいした時間はかからないと思います。
その記憶が拡大するにつれ、絵は動き始め太鼓が聞こえてきます。
絵の中のダダスコダーは次第に動きが早まり太鼓の音が高まり、演ずる人の激しい息遣いが漏れてきます。
もう少し絵との対話を進めていくうちに気づいたのですが、絵の中のダダスコダーの方が実物のダダスコダーより本物のダダスコダーだと思えているのです。
実物のダダスコダーは演ずるところが舞台であれ街の通りであれ、その演ずる場所に付随するものが周りにあるわけで、いやおうなくそれらが目から耳から邪魔ものとして入ってきます。演者も疲れたり、休んだり、仲間とおしゃべりしたりします。
いっぽう、絵の中のダダスコダーは作者(岩間氏)によって昇華されていますから、そういったものは一切なく、ダダスコダーそのものということなのでしょう。
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